たった3ヶ月の誕生日プレゼント
一般ゴミの日だったため、ゴミを出してから出掛けようと各部屋のゴミ箱を回収して回った。 息子の部屋のゴミ箱を手に取った時に、中には小冊子のような物が入っていることに気が付いた。そして直ぐにそれから多くのことが想像できた。 冊子は表表紙を裏表紙が厚紙で出来ていて、中には数ページ程度の誌のようなものが書かれている。 大きさは一辺が十数センチ程度。 その本のタイトルは”Fubruary22” 息子の誕生日の日付だ。 間違いなく彼女から送られたものであろう。そしてそれがゴミ箱の中にある。 息子の気持ちを感じながらそっと手に取ってみた。 その本をゴミ箱から出すと、その下には小さな封筒があった。 およそゴミ箱の中にあったとは思えないような、しわ一つ付いてないその封筒には、小さな便せんが二つ折りにして入っていた。 そっと取り出してみる。 彼女から息子に当てた誕生日祝いのメッセージ。 決して上手とは言えない手書きの文字には、誕生日のお祝いと共に、自分達の歴史は短いけれども、これからも二人でと言うような趣旨のメッセージが書かれていた。 息子の誕生日祝いにと、その娘が何が喜んでもらえるかと考え、そして本当の気持ちを伝えるために自ら筆を執り、心を込めてしたためたのであろう。 そしてそれを大切な人に渡し、二人でとても幸せな時間を共有していたのだと思う。 その時の二人は自分達の愛は永遠だと思っていただろうし、まさかたったの3ヶ月後にその思い出の詰まった本が、自分達の思い出に終止符を打つ道具になろうとは想像すら出来なかったに違いない。 その本はゴミ箱に投げ捨てられたのではない。 他のゴミの上のそっと置かれていたようだった。 短い時間ではあったけれど、二人で過ごした思い出がたくさん詰まったその本を、彼女の心がこもったその本を粗末に扱えなかったのだと思う。 だから大切な人からの手紙をゴミ箱のそっと入れ、その上に思い出の詰まった本をそっと置いたのだと思う。 ゴミ箱に入れた本から手が離れる瞬間に、自分達二人で歩んできた道のり全てにピリオドを打ったのだろう。 息子達の小さな恋物語が終わった。 ↓ポチッとして下さいましm(__)m |
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